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「 閉学のご挨拶 」

              プール学院短期大学閉学のご挨拶

 本学、プール学院短期大学は誠に残念ながら、本日3月31日をもって閉じることとなりました。
 1950年の短期大学設置基準制定時に認可された、最も伝統ある短期大学の一つである本学が此の様なこととなり、お世話になった地域、企業、幼稚園・保育園等関係者の皆様方、そして卒業生の皆様への慙愧の念は筆舌に尽くし難いものでございます。

 1950年に宣教師E.M.Foss氏を初代学長として迎えて開学をした本学は70年の歴史を紡ぎ続け、その間、女子高等教育機関の嚆矢として追随する多くの女子短期大学の模範となりました。
 Foss氏により愛と祈りに満ちたプール学院短期大学の堅固な基盤が作られ、本学は学問を究めて自立をする女性育成を目指し続けて参りました。
 最終年度まで連綿と受け継がれてきた、教職員と学生が尊厳をもって全人的に関わる少人数制Tutorial Systemを、本学の基本教育方針として定着させたのもFoss学長でした。

 70年間、本学は常に、短期大学としては他に例を見ない様な幅広く、多岐に亘る学びの場を提供してきました。
 例えば1982年度から最終年の今年度まで開催してきた全学集会アセンブリーは、アメリカ先住民族や南アフリカ、在日コリアンや東南アジア、そして世界の飢餓問題等について、また日雇い労働者、服役者、自殺、震災等種々の今日的課題について、現場の生の声から学び取る事が出来る貴重な機会でした。
 今年度の最後のアセンブリーでは、ジェンダー問題を研究分野とする本学教授により本学が貫いてきた女子教育の意味と今後について、非常に意義深いメッセージが学生に届けられました。
 キリスト教精神における人権教育や平和学習にも常に重点が置かれ、学生たちに学外プログラムやボランティア活動への参加を推進して参りました。

 1950年度から1996年度まで継続した英文科は、時代の最先端教育機器を整え、「英語のプール」と評される程の高等で充実した授業を提供し、46年間で7,396名もの国際的な視野を持った女性が養成され、異文化体験や多様性を重んじる本学の土台が据えられました。
 当時としては画期的であった海外研修や留学制度はその後も引き継がれ、コロナ禍で不開催となった今年度を除き、昨年度迄毎年、イギリス、カナダ、ニュージーランド、フィリピン、韓国等での研修を実施し、学生たちは、その後の人生を大きく変える程の貴重な体験を積んで帰国してきました。
 1984年には「秘書的業務に必要な能力を備えた専門職業人を養成する」という目的を掲げた秘書科が開設され、様々な講習会やセミナー、そしてインターンシップ等を通して能力の高い優秀な人物を世に送り出し、5,699名の卒業生は企業や地域社会で大きな信望を得続けています。卒業生によってその有能さが周知され、最終年度である今年度迄、優良企業からの求人が舞い込み続け、此のコロナ禍において98%と言う高就職率を生み出しました。
 2006年にはFoss学長の望みでもあった幼児教育保育学科が設置され、子どもの心に寄り添う感性豊かな保育者を現場へ送り出しました。卒業生842名中、多くの人が現在も保育園や幼稚園、その他種々の施設で活躍しています。就職先等で本学卒業生の温かな人柄や、保護者や職員と良い関係を築くことが出来る人間力の高さについての称賛を頂く機会が増え、本学の閉学を惜しむ声を頻繁に聞きました。

 これら実績の全ては本学教職員の、キリスト教精神に根差した、学生への献身的な愛情による教学活動の積み重ねの功績だと確信をしています。
 本学の教職員は正しく、建学の理念である「愛と奉仕の精神」の体現者でした。

 勝山、及び泉ヶ丘の地にキリスト教主義女子短期大学を起こされた神は、その時々に素晴らしい教職員を送り込まれ、活力に溢れ、素直な伸びやかさと可能性に満ちた学生たちを呼び集めて下さいました。
 本学の卒業生、そして教職員は70年と言う年輪を持つ大木から生え出た枝として、これから夫々の新天地で「他者の幸福の為に尽くす」と言う葉を茂らせていくことと信じております。
 卒業生の皆様が社会で、地域で、家庭で本学の精神を宿しながらご活躍くださることが、私たち教職員の大きな喜びであり希望です。

 70年間の本学の全卒業生、教職員、及び本学を支えて下さった全ての関係者のご尽力に、そして何より神の愛のお働きに言い尽くせない感謝を捧げ、ご挨拶とさせて頂きます。

                                  2021年 3月31日
                         プール学院短期大学学長 作野理恵