「教養」ということ
12月中旬に、全国大学実務教育協会の特別委員会に出席してきました。
いま、実務教育協会が認定している資格は、23種類を数えることができます。代表的なものは、数の多い順にあげると、情報系(情報処理士など)、ビジネス系(ビジネス実務士など)、秘書系(上級秘書士など)といったものです。この3系列に属するもので約95パーセントの資格認定がなされているのが現状です。また、もっとも新しいものに、今年度から導入された「こども音楽療育士」があり、すでに取り組みを始めた大学・短期大学が出てきています。
こうした資格を、あらためて現代の状況とニーズを見据えて考えてみようとの趣旨から、今年度の初めに特別委員会が設けられ、私はその委員の一人に任命されました。これまで3回にわたって委員会が開かれ、あと1回ほどで結論が出るところまで来ました。
まだ、最終決定を見ていないので、その詳細については明らかにできませんが、新たに設置する資格の一つとして、「実務教育」と「キャリア教育」とをあわせたものが考えられました。
そこで大事なことは、「実務教育」「キャリア教育」のそもそもの定義はどのように言えるのかということです。この用語の基底には、「学士力」や「社会人基礎力」という目下、大学での人材養成目標の一つとされている概念が置かれているのです。そして、より具体的には、就業力育成や職業人養成といった言葉ともつながっています。
専門学校ではなく、大学・短期大学における学びとしての「実務教育」は、職業とリベラルアーツの概念をあわせて捉えるべきでしょう。とすれば、「複数の職業教育の共通した教養教育、職業教育」と定義ができます。そこには、すでに取り組みがなされている「課題解決型体験学習(PBL)」やインターンシップなどの学習者中心の学習方法の導入も、当然、含まれています。
委員会での討議において、リベラルアーツ、教養教育の重要さが就業力育成と関わって捉えられたところが重要だと、私は思いました。「教養」の新たな側面を見直すべきでしょう。
「教養とは、社会を動かす力そのものである」(中嶋嶺雄・国際教養大学長)という言葉が想起されますように、「実務教育」と結びついた教養の学びは、これから社会で生活し、社会を動かす一員となっていこうとする大学生・短期大学生にとって、必須の学びと言えるでしょう。
プール学院大学の国際文化学部に、2012年4月からスタートする「教養学科」も、こうした学びを目指しています。
平成23年12月19日
学長 木村一信